目次 (Menu) > ソーシャルゲームで役立つマーケティング知識 - Jun Aruga's Blog
前回、ソーシャルゲームのマーケティングについてもECサイトや他のビジネスと同じようにMarketing Funnelが使えるということを書いたので、
今回は、これらを詳細に分析するための
RAM(Retention、Acquisition、Monetization)モデルについて説明します。
このモデルは、あるゲームのカンファレンスで知った内容ですが、便利なのでよく使っています。
## 更新 2018/09/23 ここから
引用先をしっかりと明記する必要性を感じました。
RAMモデルは、シンガポールで開催されたCasual Connect [1]というゲームのカンファレンスで配布された雑誌に書かれていた内容です。[2]
このブログの内容では、項目が追加、削除されているかもしれません。また独自の解釈をいれています。
英語のオリジナルを参照したい方は、こちらをどうぞ。無料でWeb上で読めます。
Casual Connect Summer 2012: page 6 - 10: By the numbers: "What Metrics Matter in a Game's Lifecycle and When"
issuu.com## 更新 2018/09/23 ここまで
まずは用語の説明からします。
Retention
Retentionというのは継続という意味で、何日かに分けて継続して遊んでくれているかどうか、それとも1回とか数回やって飽きてゲームをやめてしまったのか、みたいな指標です。
Retention=あるユーザーの日単位、月単位の継続(ゲーム起動)率という感じです。
お金を頂くためには、それ以上の感情的な価値を提供できないといけないです。
もちろん1回でその価値を与えられることもあるかもしれませんが、
日をまたいで何回も遊んでもらう方が価値を提供しやすいです。
つまり
Retention=継続率=顧客に十分に価値を与えられているかどうかの指標
となります。
Retentionの施策とは、
Retention(継続率)を上げるにはどうしたらよいか?
と自分に質問して考えて行動を起こすことを意味します。
Acquisition
Acquisition というのは獲得という意味で、顧客を自分のゲームを知ってもらい、呼び込むことを差します。
いわゆる集客ですね。
顧客に自分の商品をしってもらうには、広告、ソーシャルメディア、雑誌などがありますが、媒体によりかかる費用も異なりますし、集まる顧客の属性も異なります。
その中で、
よりお金を払ってくれる顧客(ターゲットとなる顧客)を
より少ないコスト(広告費など)でより多く獲得するために、
獲得ユーザー数、そのユーザーの一人当たりの課金額を測定することで、
広告、メディア媒体を選ぶことができます。
Acquisitionの施策は、
より少ないコスト(広告費など)でより多く獲得するにはどうしたらよいか?
Monezite
最後にMoneziteです。これはマネー化、現金化という意味です。
ゲーム内のユーザーに売り込みをかけて購入、継続購入してもらう部分の改善を指します。
前回書いた売上の式は、ここで使えます。
売上 = (商品を購入したユニークな)顧客数(課金ユーザー数) × (1回購入あたりの)顧客単価 × (顧客の平均)購入回数
・課金率
・課金ユーザー数
・(1回購入あたりの)顧客単価
・(顧客の平均)購入回数
・Life Time Value
などを計測し、数値があがるようにゲームを改善します。
Life Time Value(LTV)というのは一般的なマーケティング用語で、生涯顧客単価という意味です。あるユーザーAが、あるゲームで6月1日に商品Aを100円で購入、6月2日に商品Bを300円で購入、6月20日に商品Cを1000円で購入した場合、このユーザーAのLife Time Value は、100 + 300 + 1000 = 1400円です。
それでユーザー平均LTVを出したります。
このLTV は大事な指標です。
なぜなら、顧客一人あたりの獲得単価(一人当たりの広告費とかかかる費用)をCPA(Cost Per Acquisition)と言いますが、
ゲーム内で
LTV > CPA
という式が成り立てば、
それは、今のままの広告媒体、ゲーム内容のままで、顧客に対して利益がでている=ゲーム全体で利益がでることを意味するからです。
そして、これが意味するところは、
広告費をかければかけるだけ、その分利益がでることを意味するので、
それまでは、媒体の効果測定用、ゲームの改善用に、ユーザーの流入を増やすため、広告費を押さえていたのに対して、
ゲーム全体で利益が出れば、広告費をありったけ投入できて、売上、利益が一気に上がります。
この状態を「利益の方程式ができた」とか言うことがあります。
用語の解説だけで長くなったので、これで終りにします。
次はRAMモデルの詳細です。
References
- [1] Casual Connect web site: http://asia.casualconnect.org/
- [2] Casual Connect Summer 2012 magazine: https://issuu.com/casualconnect/docs/summer2012